
舞台は共産時代の東ドイツ。アレックスの父は西側に女を追いかけて逃げてから母と姉の3人暮らし。父がいなくなってから、母は社会主義教育にのめり込む。ある日、心臓発作を起こし、8ヶ月という長い間、意識不明となった母。その間に、ベルリンの壁は崩壊しドイツは統一され、アレックスには彼女ができ、姉の子供は大きくなり新しいパパができていた。次に発作が起きると命の保障はないと言われたアレックスは母に刺激を与えてはいけない、という思いでドイツ統一という事実を隠し通そうと決意する。
学校の授業で少し触れただけのドイツ東西分裂、ベルリンの壁破壊。この作品では、私たちが知ることのできなかったドイツ分裂時代の様子を知ることができる。現在は社会主義のイメージは決して良いものではないと思う。そのときの東ドイツも秘密警察が暗躍し、歪んだ社会主義だったが、資本主義にはない国民平等、福祉の面などではいいところもあったのだろう。
母を助けたいがためにドイツ統一を隠そうと努力するアレックスの姿がけな気で、ちょっと無理があるだろう〜とも思えるような場面もあったけど微笑ましかった。統一後、職を失った旧東ドイツの人たち。かつては英雄として扱われていた宇宙飛行士ですらタクシーの運転手をしている。ただ、父が西へ行った本当の理由を知ってからアレックスは、ドイツ統一を隠すのは正しいことなのか、という葛藤が垣間見れて切なかった。

Daniel Bruhl
Katrin Sass
Maria Simon
Chulpan Khamatova
監督: Stefan Arndt
ドイツ 2003年
★★★★☆
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